30 / 209

第一章・魅了する肉体。(14)

 彼自身が淫魔を貫きたいと欲求する。ライオネルの陰茎は鉛のように重い。(うなだ)れる淫魔から背を向け歩く。  ライオネルが歩く度に彼の息子が悲鳴を上げて苦痛を伴わせた。  スラックスの下では十分すぎるくらい大きく膨らんでいる。  ――何もかもが忌々しい。  彼は静かに舌打ちした。  ―― 第一章・完――

ともだちにシェアしよう!