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第三章・三人の王子を殺害した犯人。(9)
その美しく魅惑的な肢体がステンドガラスを突き抜ける月明かりによって浮かび上がっている。
なんとも淫らで美しい姿だろう。ベルゼブルは眼鏡の下にあるアーモンド色の目を細め、抵抗のひとつもできない無防備の淫魔を見下ろす。
彼は静かに立ち上がる。涙を浮かべ、頬を染め上げているアマデウスを見下ろした。
「幸いここは新築でね、俺が許可するまで一歩たりとも誰も侵入することができないんだよ。万が一にでもここへ一般人が来ることようなことがあったとしても、結界を張っておいたから誰も君に近づけない。君はおれ以外の誰に対しても食事ができない。おれを求めるまではずっとそのままだ」
そして彼は耳孔にそっと唇を近づけ、尚も続けた。
「プライドの高い君がどうやっておれを欲しがるのか、愉しみにしているよ――とはいえ、おれを求める後孔をこのままにしていてはあまりにも可哀相だな」
ベルゼブルは首に下げていた人の指の三本はあるだろうほどの太く長いロザリオと、ロザリオを通していた麻紐を外した。それから彼は蜜を流し続けるその根元に麻紐をいくらか巻きつけ、ロザリオを後孔の奥深くへと挿し込んだ。途端にアマデウスは嬌声を上げ、達するために身体を弓なりに反らす。
しかし麻紐によって縛られた根元は達する事を許されない。アマデウスは涙を流し、いやいやを繰り返すばかりだ。
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