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第三章・欲望と理性の狭間で。(13)

 淫魔はよりしなやかに腰を反らす。あまりにも太く雄々しい雄を咥えた後孔は歓喜に満ち、嬌声は声にならない。  開いた目に最早悲しみの涙はない。快楽に染まりきり、悦に浸ったその涙のみだ。大きく開けられた唇からはただ唾液ばかりが流れている。  ライオネルの肉棒を咥えた後孔はいっそう強く咥え込む。放すまいと締め付ける。  一匹の獣へと成り果てているライオネルはかまわず、華奢な腰を宙に浮かせて固定するとその太い腕で前後へ大きく動かす。  太く雄々しい肉棒の抜き挿しを繰り返されるその行為の度に卑猥な肉音と水音が生まれ出る。  ライオネルの肉棒がアマデウスを貫くその度に、大きな嬌声が上がる。  やがてライオネルの肉棒から最奥に向かって勢いよく白濁が放たれる。  ライオネルが放った欲望の白濁は淫魔の下腹部にたっぷりと溜まっていく……。  唾液を垂らし続ける赤い唇は浅い呼吸を繰り返し、喘ぐことしかできない。 (まだだ。まだ流し足りない)  ライオネルは淫魔の最も甘やかで恐ろしい強烈な毒の中にどっぷりと浸かった。  淫魔の魅惑的な身体にすっかり虜になった獣は、ただひたすらに肉棒を打ち込み続ける。その身に精が消え失せるまで、永遠に――

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