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第五章・消えた彼女。(7)

 苦痛に目を潤ませ、ただひたすらにライオネルを想って……。  肉壁の中でベルゼブルの肉棒がいっそう大きく膨れ上がるのを感じる。時期に彼はありったけの精を注ぐだろう。そして自分はその精を最奥でたっぷりと受けるのだ。  この行為でベルゼブルの子供を身籠もるかもしれない。そうなればこの薄汚いベルゼブルはアマデウスを誰の目にも触れられない闇の奥深くへと監禁するだろう。両親は愚か、ライオネルと敵対関係になってしまう。両親にも、自分が恋をしたライオネルにも、もう二度と会えないのだ。  アマデウスは深い絶望を感じた。 「アマデウス!」 (ライオネル?)  アマデウスは、ふいに自分の名を呼ぶライオネルの声を聞いた気がした。  潤む視界に目を凝らせば――ああ、なんということだろう。彼はこの強い日差しの中にいる!  彼は漆黒のコートに分厚いブーツ、手袋をして、さらにはフードを深く被って力強い太陽の日差しから身を守っていた。  そしてアマデウスが恋して止まないブルームーンの目には青い炎が宿っている。あの目は知っている。アマデウスが両親にベルゼブルが目論んでいることを話したあの時にも見せた目だ。 (だめだ、逃げて! 今の貴方じゃ殺される!!)  アマデウスはそう言いたいのに、代わりに出てくるのは嬌声だ。  いよいよ絶頂を迎えたベルゼブルは、肉壁の最奥へと勢いよく精を解き放ち、アマデウスを汚した。  アマデウスは身体を反らし、ベルゼブルの精を一身に受ける。自らの陰茎も吐精し、果てた。

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