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第五章・消えた彼女。(5)

 言うなりベルゼブルは、重心を下にかけてアマデウスを跪かせた。臀部を突き出すような体勢を取らされたかと思えば、身に着けていたチュニックを引き裂いていく。続いて下着を剥ぎ取り、臀部の奥に秘められた後孔を、太い何かが貫いた。  アマデウスの悲鳴が周囲に響く。  鋭い痛みがアマデウスを襲う。  しかし、この痛みは慣らされずに突然突っ込まれたからという理由だけではない。  自分の意思とは関係なく無理矢理抱かれたという胸の痛みも、だ。  アマデウスを貫いた楔は間違いなくベルゼブルの肉棒だ。  その証拠に、後孔を貫く太い何かが前後移動する度に卑猥な肉音が弾いている。 (嫌だ! 好きな人(ライオネル)以外に抱かれたくない!)  アマデウスは唇を噛みしめた。この男に陵辱されてなるものかと身動ぎ、抵抗を計る。しかし、背後に腕を固定されては身動き一つ敵わない。 「アマデウス、君はぼくを侮辱した。この礼はたっぷりしなければねぇ」  その声はとてもおぞましい、低音だった。  まだ慣らされていない後孔に太い肉棒を打ち付ける。幾度となく抽挿を繰り返す。彼は中で先走りを流しているのだろう。肉棒を打ち付けるその度に先走りの水音が発せられる。ーーいや、それだけではない。互いの肉体がぶつかり合う音も、だ。  身体を押さえつけられ、無理矢理こじ開けられる後孔。アマデウスにとってこの行為は苦痛でしかない。それでもベルゼブルによって深い抽挿を繰り返されれば、すっかりこの行為に慣れきっている淫らな身体は腰を揺らし始める。

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