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最終章・決戦前夜。(3)
アマデウスはライオネルが求めてくれていることが嬉しくなった。そしてもっと彼を誘惑したいという悪戯心も出てくる。手を伸ばし、割れている腹筋をそっとなぞる。肌触りの良い分厚い胸板に頬を擦り寄せるとムスクの香りが鼻孔をくすぐる。アマデウスはライオネルのこの香りが大好きだった。うっとりと目を閉ざし彼の滑らかな肌触りと香りを楽しむ。
「君はおれを殺す気か?」
アマデウスが好きなブルームーンの目はすでに輝きが消え失せている。貪欲な眼差しへと変化していた。彼の表情を見るなり、アマデウスは彼の心情を知った。
淫魔 の力は恐ろしいほど強固なものだ。ひとたびその力に引き寄せられれば強欲に求めてしまう。彼は気が狂いそうなほどアマデウスを欲し、それでも懸命に愛してくれようと戦っているのだとアマデウスは思った。火傷しそうなほどの熱を感じて指を引っ込めると、彼はアマデウスの太腿の間に顔を埋めた。ざらついた舌が後孔を開き、中をゆっくりと舐め取り湿らせていく。
アマデウスが身体を反らせば、薄い唇が動いた。後孔から陰茎へと舌を這わせると大口を開けて口内に含んだ。たっぷりと舐め取って陰茎を刺激する。
赤い唇からは甘い悲鳴が弾き出される。いっそう身体が弓なりに反れた。赤い目 からは大粒の涙が溢れ、薔薇色に染まった頬を濡らす。閉じられなくなった口は唾液が溢れ、口角から線を作って下顎へと流れる。
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