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最終章・決着。(4)

 アマデウスが次に目を覚ました時には強大な魔力は消えていた。クリアになったその視界には何もない。崩れかけた建造物たちと崩壊したグリゴリ教会の無惨な姿。そして血なまぐさい人間の死体と悪魔の死体が転がるばかりだった。  視界の先をもう少し先へ向ければ――アマデウスは全身から血の気が失せていくのが判った。地に横たわるライオネルの姿があったからだ。 「ライオネル!」  アマデウスは夢中で力なく横たわるライオネルへと走った。

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