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第4話 いつもの二人② ※
『良い子だ』
その言葉に亜樹の胸が温かくなっていく。
(褒めてくれた……)
小さな頃から失敗して殴られる事はあったとしても、上手くいって褒められる事なんてなかった。
でも和真は違う。亜樹ができるギリギリの事を求めて、それが上手くできた時。その結果も、頑張った亜樹自身もちゃんと褒めてくれる。
それはセックスの上でも変わらなくて。だから、イヤだという言葉を聞いてもらえない不安と同じぐらい、こうやって撫でてくれる感触が嬉しくて、誇らしささえ感じられた。それでも。
『下を脱いで』
喜びを感じたとしても、熱くなった身体を抱える辛さが消える訳ではないから。これからキスだけで煽られるのとは訳の違う、ハッキリとした悦楽が与えられてしまうのだ。そう思えば、怯えのような緊張が走っていく。
(今日はどれぐらい、我慢しなきゃいけないんだろう……)
泣きたくなるような不安に、亜樹はもう一度ひくりと喉を鳴らして、和真の上から身体を降ろした。
ズボンの縁へ掛けた指先が緊張に冷えて、微かに震えている。勢いを付けるように下着と纏めて脱ぎ捨てれば、少し長めのシャツが立ち上がり始めていた亜樹のモノを、上手い具合いに隠してくれた。
『ほら、舐めろ』
和真の肩に手を置いてその身体を跨ぎ直せば、唇に2本の指が添えられた。一瞬ためらう亜樹へ泰然とした笑みを浮かべたまま、和真は急かす様子もなく見つめてくる。
その表情に避けられないと覚悟を決めて、亜樹がその指を2本とも口腔内へ含んでいった。どちらかと言えば女性的で華奢な亜樹の手と違い、和真の手は大きく角張って指2本といってもそれなりの太さを持っている。それを咽奥まで弄うように含まされれば、その苦しさに涙が浮かぶ。
そのまま口腔内の弱い所を余す事なく嬲られて、閉じきれない口角から唾液が糸を引いて落ちていった。
『後ろを広げてろ』
肩に置いていた両手をそっと後ろに回し、お尻を掴む手に力を込める。ヒヤリとした空気を蕾の内にわずかに感じれば、身体はこの後の快感を期待しているのか。1度も触られていない亜樹のモノがひくりと震えて滴を零した。
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