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第6話
なにも考えられなくなっていく。
口内を犯す舌の動きに頭の中が真っ白になっていくなかで、シャツの裾から手が入り込んでくるのを感じる。
掌が素肌を這って身体がびくついた。
文川のもう片方の手は俺の動きを止めるように首を掴んでる。
俺は文川の背に手をまわして、キスを受け止めるだけしか、文川の手が俺を犯していくのを感じていることしかできないでいた。
「……っ……ぁ」
不意に股間を押される。
俺の脚を割って入るようにして文川の脚が、もうすでに硬く勃ちあがった俺のを確かめるように押してきた。
「―――もうギンギンじゃねーか」
キスの応酬にすっかり息が上がって頭がぼうっとしてる俺に対して、余裕の表情の文川が俺の目を覗き込むように見て笑う。
それに羞恥を覚えるけど、だけどいまはそんなのはどうでもいい。
「……しょうがねー…だろ…っ。文川が、触るから……!」
好きな奴に触れられて反応しないはずがない。
本気なんだ、と文川を見つめた。
文川は目を眇めて唇を歪めると、俺の首に噛みついてきた。
歯を立てられる。でもそんなに強くはなくて、噛みついたそこが舌で舐められ、吸われて、小さな痛みのような疼きに思わず眉を寄せた。
「じゃあ、もっと触ってやるよ。勝手に……イくなよ?」
そう言って文川は俺を床に押し倒した。
あっという間。
またキスされ、そしてその唇が首筋を這って、いつのまにかシャツを肌蹴させた胸に落ちて、腹部に下りて行く。
びくびくと情けないくらいにびくつく俺の身体の反応を楽しむように時折文川は薄く笑って俺に視線を寄こす。
女とするときとは全く違う、空気、行動。
先のことを考えると不安がないといったら嘘になるけど、俺は文川から与えられる快感に引きずり落とされていく一方で。
「……ッ」
腹部を、ズボンの境を執拗に舐める舌がさらにその先へ下りるために、文川の手が俺のズボンのベルトにかかった。
思わずその手を止めようと身体が動きかけた。
でもいまここで止めたら、絶対に文川は手に入らなくなるような気がして文川の行動を見つめることしかできない。
「―――……元気だな? こんなに涎垂らして」
ズボンを引きずりおろされて、外気にさらされた俺のモノは完璧に勃ちあがっている。
文川はそれを眺めながら、触れてきた。
ぬるぬると先から出ている液体をまとわりつかせ上下されるだけで、イきそうになってしまう。
快感で顔を歪める俺に、
「まだイくなよ」
そう言うくせに扱く手の動きは早まっていて、せりあがる吐射感を必死で押しとめた。
だけど、それも文川の次の行動で全部無駄。
舌を出した文川が俺を見ながら、竿の部分にゆっくりと舌を這わせて亀頭を舐められて。
押さえる暇もなく俺のモノは脈動し、欲を放ってしまっていた。
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