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第9話
指と違いすぎる太いモノが出し入れされるたびに肉壁が擦れて鈍い痛みと熱がじわじわ沸いてくる。
苦しさにかわりはないけど、ずっと俺のモノは扱かれていて、快感と痛みとが混ざり合って行く。
耐えるようにまた唇をかもうとしたら文川の呆れた声が落ちてきた。
「噛むなって。つーか、精々ヨガれって言ったろ?」
俺を見下ろす文川はいつもと違う。
その目に欲をたぎらせて、粟立つくらいの色気を放っている。
「ほら」
冷たい笑いを浮かべながらグッと腰を打ちつけてきた。
「……ッ」
「よーく、感じろよ。痛みだけじゃねーだろ?」
片手はオレのを扱いたまま、もう片手は俺の脚を抱え上げて突き上げてくる。
確かに痛みは最初よりは緩和されてるし、挿送はスムーズになってきていた。
俺のナカがほぐれているせいか、文川の先走りのせいか。
たぶん、両方。
その事実に後孔から妙な感覚がせりあがってくる。
だけどはじめて味わうその感覚は不安で、無意識に文川の腕を掴んでいた。
その行動に文川はふっと笑って俺のモノから手を離すと、「起きろ」と、俺の背に手をまわして半身を起させた。
対面座位。
ようやく馴染み始めたばかりだったのに、一気にさらに深くまで突き刺さってくる硬さに腰が逃げようとする。
「逃げんな」
腰をがっちりと押さえこんで文川が腰を揺すると―――ビリッと身体中に電流が走ったような気がした。
「あ……ッ、く……!」
思わず喘いだ俺の顔をのぞきこまれる。
「へぇ、ここがイイわけだ」
あきらかに悪い企みをしているようなその眼差しに、嫌な予感がして首を振ると、抉るようにしてその一点を突いてきた。
「ッあ、……や、め……! ッ……ンっ」
吐射感とは違う、明らかな快感。
文川のモノがそこを擦るたびに突くたびに身体が痙攣してしまう。
「ま……って!」
「待たねーよ」
喉を鳴らして文川は一層激しく腰を打ちつけてきた。
肌がぶつかりあう音が響く。
身体が上下に揺れて、そのたびに文川のモノが奥深くまで入ってきて、感じる部分を刺激して。
痺れるように頭の中が麻痺していくありえないくらいの快感に文川にしがみついた。
肩に唇をあてて、声を耐える。
だけどどうやっても抑えきれない声が漏れて、部屋の中に微かな水音とともに響いていた。
ぴったり身体を寄せたせいで俺と文川の間に挟まれた俺のモノは自然と擦りあげられて俺たちの肌を濡らしていく。
「……っ、ぁっ」
絶え間ない刺激に絶頂がすぐそばまできてるのを感じた。
男同士で本当に感じあえるのか―――。
胸の中にあった不安は一掃されて、いまはただ俺のナカに文川がいるっていうのが嬉しくて、そしてただひたすらに気持ちいい。
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