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番外編第7話

触れ合った途端、欲情が増す。 だけど和己は無反応で、その咥内に侵入することができない。 「……口……開けろよ」 ほんの少しだけ唇を離して呟くと和己は目を細めた。 「開けてやってもいいが……」 なにを思いついたのかその目が嗜虐的に光ってる。 ―――こいつのドSスイッチを押したつもりはなかったんだけど。 そう思うけど、機嫌を治してもらうにはしょうがないか。 俺は内心ため息をつきながらも早くキスがしたくて「なんだよ」と訊き返す。 「俺、今日疲れてるから。お前がシろよ」 「……意味わかんねーんだけど。俺が突っ込むのか?」 疑問を投げかければ即座に冷たく「そんなわけあるか」と睨まれた。 ならシろよ、ってなにをだよ、と睨み返す。 和己は俺の頬を指先で撫で口角を上げた。 「俺はなんにもしない。だからお前が俺を感じさせて、ちゃーんと準備して、挿れてヨガれ」 不遜な表情で和己が言う言葉を俺は黙って聞いて―――考える。 ようは俺が奉仕すればいいということはわかる。 ただ準備―――……っていうのは。 「おい、ヤんねーのか?」 俺を見つめる和己はひどく楽しげだ。 頭が痛くなるのを感じながらも俺は触れるだけのキスを返した。 「する。………だって和己とシたいから」 俺が言うとほんの少し和己は眼光を緩めた。 熱を帯びた欲情がその目に浮かぶのを見ながら俺はもう一度和己の口を塞ぎ、舌を割り込ませた。 いつも主導権を握ってるのは和己で、俺はほとんど翻弄されてるだけだ。 フェラとかはしたことあるけれど俺主導で進めるのははじめてたから緊張してしまう。 下手とか思われたら嫌だな、そんなことを思いながらも気づけば夢中で和己の咥内を貪りながらシャツの裾から中へと手を忍ばせた。 日ごろズボラなくせに毎日の筋トレは欠かさない和己の身体は筋肉質で締まってる。 付き合うようになったはじめての日、和己のマンションに来てから再び身体を重ねた。 その時にようやく服を脱いでヤったんだけれど、その時は思わず見惚れてしまったっけ。 ほんの一か月前のことなのにひどく懐かしい。 ずっと好きだったけど、いまはあのころよりももっと溺れるくらいに好きになってしまっているのは確実だった。 だからできるだけ感じてほしい。 キスをやめ、シャツを脱がせ筋肉質な胸板に唇を落とす。 その肌の感触を味わいながら和己の下肢部に手を伸ばすとすでに熱く猛っていた。 硬くなった和己のモノに触れながら視線を和己に向ける。 こんだけ硬くしているくせに平然とした様子で俺の行動を愉しそうに眺めている。 和己の半身を取り出して口に含んだ。 まさか男のモノを咥える日が来るなんて和己と付き合う前なら想像もできなかったこと。 だけど和己のってだけで嫌悪もなにもない。 しゃぶりながら根元を扱いているとほんの少し和己の呼吸が熱っぽさを孕みだしてきたのを感じる。 にじみ出る先走りを咥内で舐め取っていると俺の髪に和己の手が差し込まれる。 視線を向ければ目が合って、和己は欲情に濡れた目を細めた。 「啓。しゃぶってばっかいねーで、ちゃんとほぐせよ?」 その言葉に俺は動きを止め、眉を寄せた。 ほぐせっていうのは言うまでもなく、俺自身の―――後孔のことだ。 咥えたままシろってことなんだろうけど。 「ほら、早くしねーと、お前の口に吐き出して終わるぞ」 唇を歪めて言い捨てる和己はやっぱり愉しそうで―――ドSめ、と悪態つきたくなる。

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