27 / 35

番外編第12話

だけど、指輪見たときに絶対和己に似合うって思ったから買うことにした。 デザインもサイズも合っていてよかった。 そう思いながら和己に寄り添うようにして横になった。 「誕生日、おめでとう」 起きたらちゃんと言うけど、とりあえずいま言いたくて言った。 そしたら、 「――サンキュー」 和己が答えて、 目が合って。 「……」 「……」 「……う、うわあああ!!」 驚いて、思わず離れようとしたら和己の腕にあっという間に拘束された。 「な、なんで起きて…っ!」 「ガサガサなにしてんのかと思えば……。そういや今日は俺の誕生日だったなあ」 口角を上げながら、指輪を眺める和己。 俺はすごく恥ずかしくて顔が熱くて和己の顔を見れなかった。 「なんで指輪?」 「……えっ、いや……たまたまデザインが……気に入ったから」 「ふーん」 和己はまるで俺の考え全部見透かすようにニヤニヤしてる。 「まあ―――気に入った」 だけど、その言葉と表情が嘘じゃなく気にいってくれた雰囲気があって、心底ホッとした。 「クソ忙しかったのはこれのためか」 ボソッと和己が呟いたが、俺にはいまいち聞こえなくて「なに」って聞き返す。 「別に」 和己は小さく笑い、俺の頭を引き寄せると唇を重ねてきた。 唇を舐められ思わず開けたら舌が入り込んできて歯列を舐められる。 舌が絡んできて気持ちよさを感じながら――和己の胸を叩いた。 「っ、ちょ、待て!!」 「あ?」 「お前、疲れたんだろ!? 寝るんだろ!?」 和己のキスは明らかにいまからヤるぞってときのキスで、俺は慌てて離れようとした。 「疲れ? んなもん吹っ飛んだ。啓の俺への愛情がたーっぷり詰まったプレゼントをもらったんだもんなぁ? そりゃ相応のお返ししなきゃなンねーだろ」 「………」 絶句する俺にまた唇を寄せてくる和己の額をとっさに押さえる。 「あ、朝でいい! 一旦寝て、んでヤろう!」 「はぁ? お前が"起こした"ンだからな、きっちり落とし前つけろよ」 問答無用とばかりに唇をまた塞がれ、咥内を激しく蹂躙される。 "落とし前"と"お返し"違うじゃねーか! そう思いながらも、どこか上機嫌そうにキスを繰り返す和己に―――結局俺はまた堕ちていったのだった。 END・

ともだちにシェアしよう!