「コレ、うまーい！！みっちゃんも飲む？」 「いや、いいよ」 「じゃあ、モリーは？」 「俺もいいわ」 「ふたりとも、つれないなー」 新作を勧める吉川とそれを断る俺達。 只今、午後2時27分。 吉川、ナニしれーっと藤と間接キスしようとしてる。 「そういえば、今日映画見たって言ってたけど、何の映画？」 ス◯バの新作を飲みながら聞いてきた吉川。 「えーっと…」 藤が、ゴソゴソとパンフを取り出す。 「あー！コレ、トミーの最新作じゃん！」 吉川、知ってんのな。 「ヨッシーこの監督知ってんの？」 「うん。俺、トミーの作品ちょー好き！前作も、流石トミーって思ったよ。みっちゃんは、前作も観た？」 「うん。トミーの作品は、一応全部見てるよ」 「マジか！？トミーファンがこんな近くにいたなんて！世の中狭いなー」 「言い過ぎだよ！」 まぁー盛り上がるわなー、フツー。 「モリーは？」 流石、王子。 ちゃんと俺にも話を振るんだな。 「俺は今日初めて観た」 「で、どうだったどうだった」 それ、俺に聞くか？ 「腑に落ちなかった」 つい、無愛想に答えてしまう。 「そっか、今回もそんな感じなんだね。トミーの作品って賛否が真っ二つだからなぁ。でも、他の作品観たら、結構変わるよ？なー、みっちゃん」 俺の無愛想をもろともせず、藤に話を振る王子・吉川。 「うん。4作目とかオススメだよ」 「主人公が紫のやつ！？」 「そうソレ！」 「確かに！アレはオススメだね！」 盛り上がる二人をしり目に、仕方なしにラテを飲む。 ゴクゴク。 ゴクゴク。 ゴクゴク。 ……で、飲み干す。 二人の映画話は、全然終わらん。 俺、いる必要あるか？ 逆に俺が邪魔者か？ とりあえず、店の外を見る。 良い天気だなー。 今度は、散歩にするかなー。 弁当作ってピクニックでもいいかー。 ………。 ……。 …。 あ、そういえば、さっき貰った飴があったなぁ。 飴だったら食べても大丈夫だろ。 ビリっと破って口に放り込んんだあめ玉は、シュワシュワ系だった。