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ほんとはいっしょにえっちしたい。 いっぱい3Pしたい。 でも笠原と紙屋って、お互い、好きなんじゃないのかな? だったら、俺、やっぱいない方がいいもんな? 以下、一学期終業式前の会話。 「八月最初の土曜日に花火大会あるよね?」 「あーあるなー」 「俺、去年行ったー!」 「あの花火、ウチのベランダから見えるよ」 「へーすげー」 「マジで!? うっそ、すげー!!」 今日、その花火大会、当日。 別の友達からのお誘いはあったが、笠原紙屋からはなーんの連絡もなく、気分が乗らない加賀見はお誘いをキャンセルして。 こっそりこそこそ高台にある紙屋宅近くまでやってきた。 あれ、もしかして俺、ちょーきもちわるい? 別にふつーにこっちから連絡して「花火みせてー」って言えばいーのに、なんで電柱裏に隠れてんの? こわくない? 完全やばい人じゃない? こんなとこ二人に見つかったらお陀仏…………。 「なにしてんだよ、加賀見」 なんと笠原に見つかった、よって加賀見はお陀仏することになった。ではなく。真っ青かつ真っ赤になった。 「お前、すげー顔色、黄色プラスしたら信号じゃねーか」 笠原、コンビニ袋を手にしている、中身はアイスクリームの箱だ。 あ、やっぱ笠原、今から紙屋んちに……。 で、花火見つつ、えっちもしつつ……。 『やっだめっ人に見られるっ紙屋!』 『いいよ、見せつけちゃおうよ、笠原……?』 『あんっこのエロ眼鏡ぇ……!』 「おい、加賀見、人の話聞いてんのか?」 「えっあっえっ?」 「こんなとこでなに……あ、そっか、花火よく見える穴場の公園あんだっけ、この先」 「あっ、えーと」 「お相手は例の先輩彼女、だよな、とーぜん」 「あー……」 「あれ、加賀見?」 笠原を迎えにやってきた紙屋、よって加賀見はお陀仏することになった。ではなく。 「あ、もしかして花火見物? 彼女とだよね?」 「とーぜん童貞卒業したよな、パチパチ、おめでとー」 「まだ時間あるし、今からごはんかな、あんまりボロボロこぼさないようにね」 「ムリだろ、絶対こぼすって、こいつ」 「ち、違う、違うし」 「あ、ごはんじゃないの、え、もしかしてラブホとか?」 「うわ、サイアク、不純スギ、きめぇ」 笠原の「きめぇ」発言にカチーンときた加賀見。 ぎゅっと拳を握って電柱裏から言い返した。 「ソッチだって不純だろーが!」 「あー?」 「声でかいよ、加賀見」 「はっ花火見ながらシまくるんだろ!! てか毎日えっちしてんだろ! このえろえろども!!」 「してねーし」 「全然、ね」 「……えぇ……? ウ、ウソばっか、ウソつき!!」 「ウソじゃねーよ、そーいう空気にならねーの」 そ、そうなんだ。 あれ、俺、ちょっとほっとしてる。 ああ、そっか、俺、さみしかったんだ。 二人にハブられたらどうしようって、そうなる前に、自分から離れたんだ。 あ、なんか今なら正直に二人に言えそう、俺。 「俺、先輩女子と付き合ってない、あれウソ、ごめーん」 電柱裏でふにゃっと笑った加賀見。 すると笠原と紙屋、いやにゆっくり顔を見合わせた……。

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