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4-平日ないとで3P……2Pえっち!?
昼休み、教室でいっしょに昼食を食べていたカ行トリオの高校一年生男子、加賀見と笠原と紙屋。
「俺、ガチでカノジョができました!」
ハンバーグサンドをぱくつきながら笑顔で告白する加賀見。
「また性懲りもなく嘘ついてんのかよ、加賀見ぃ」
レモン炭酸を飲みながら冷めた目つきでじろっと加賀見を睨む笠原。
「ほんとなの? 例の先輩女子と?」
パックの調整豆乳が残り僅かというところで思わずストローから口を離した紙屋。
「違うよ! 別のコ! 隣のクラスの青山さんにさっき告られた!」
「さっき……あ、そういえば誰かに呼び出されて……なんだかんだ言って加賀見って実はもてるよね」
「へーーーーーーーー、あっそ」
「青山さん、かわいいし優しいし、やっとちんぽ中毒から抜け出せそう、俺!」
「加賀見、声でかいよ」
かくして初カノジョができてウキウキルンルンな加賀見、放課後はそちらを優先して笠原・紙屋とあまり遊ばなくなった。
カ行コンビになった笠原・紙屋はこれまでと同じように、ロッテリアでもぐもぐしたり、ミスドでもぐもぐしたり、紙屋宅で録画していた深夜アニメをだらだら見たり。
「このエンディングの曲、好きかも」
「あ。アプリで拾って後でまた聞く?」
これまでと大して変わらない放課後を送っていた。
はずだった。
「にしても、加賀見の奴、今回はガチかよ」
「前回、嘘つかれたけど、今回はガチだね」
「加賀見のくせ生意気」
旅行好きな紙屋の両親は今日も不在、平日の夕暮れ、だった。
注文したピザとサイドメニューを真ん中に置いてソファでアニメを見ていた笠原・紙屋。
グロテスクなシーンが話題を呼んでいる作品をつまらなさそうに鑑賞している笠原に紙屋は苦笑した。
「別の、見る?」
「昼休みも青山の話ばっか、それなら一緒に飯食えばいーのに」
「……青山さんは友達と食べてるみたいだし、加賀見は加賀見で、俺達に気を遣ってるのかも」
「うぇ。あいつに気ぃ遣われるなんて。なー、別の見よ?」
「うん」
「今日帰るときも廊下でばったり会った俺らに、あ、いっしょ帰るー? とか、ねーわ」
「加賀見の後ろにいたもんね、青山さん」
「あいつ、最近、なんか上から目線じゃね?」
「え。そうだっけ。いつもの加賀見じゃない?」
「青山ってかわいーのかな、俺、よくわかんねー」
「ねぇ、笠原ってさ」
「アヒル口とか古くね?」
「加賀見のこと好きなの?」
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