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7-放課後ないとでイヤイヤ悶絶頂2Pえっち
一限目から体育の授業、ぐだぐだテンション必須な一日の始まり。
「では出欠をとる、……、加賀見」
「ふわぁぁーい」
「笠原」
「……ごほぉッ、は゛い゛……」
「なんだ、風邪引いてるのか? 次、紙屋」
「はい、……笠原、大丈夫?」
背の順で整列中、長袖ジャージを着た紙屋はすぐ近くにいた、首元まできっちりファスナーを締めてマスクをしていた笠原を心配そうに見やった。
「保健室で休んだら? ていうか、それ、早退レベルじゃない?」
「うるせー……ごほッ……俺がいねーと変態加賀見がお前に何するか……」
「ねぇねぇ、笠原、だいじょーぶ? 俺に風邪うつさないでね!」
「加賀見は半袖で寒くないの?」
「ぜんっぜん! ていうかもう夏じゃ!?」
「夏じゃないよ、明らかにまだ春だよ」
■十分後
「うわーっ!笠原が倒れた!」
「笠原っ」
「……ごめん……紙屋……俺、守ってやれ、なか……(ガクッ)」
「アニメの見過ぎだよ、笠原」
加賀見に背負われて保健室へ運ばれた笠原は熱が三十八度越えであることが判明し、早退を余儀なくされた。
紙屋は制服を、加賀見は適当に持ち物を詰め込んだスクバを持って、保健室から直帰することになった笠原の元へ。
「笠原、一人で帰れる?」
「笠原、ばいばーい!」
「ごほぉッ……お前、紙屋に変な真似すんなよな、加賀見ぃ……?」
「うん!」
せっくすぅ、せっくすぅ、紙屋とせっくすぅ♪
「変な唄歌わないでくれる、加賀見」
休み時間、次の授業の予習をしている紙屋の席にかじりついていた加賀見は「ごめーん!」とアホのコ丸出しで謝った。
机にペンを下ろした紙屋は眼鏡をかけ直してため息をつく。
「ねぇ、加賀見。俺、ああいうコト加賀見とはもうしないよ?」
「えーー! やだやだやだやだ! 俺っ、紙屋とバリバリせっく、うぐ!」
大声でアホ丸出し発言をしようとした加賀見の口を紙屋は咄嗟に塞いだ。
周囲のクラスメートに聞こえないよう、困り果てた表情でおおばかな友達に小声で言い聞かせた。
「俺は笠原と付き合ってるから。笠原のこと、一番大事に思ってるから。だから無理だよ」
「むぐむぐむぐ」
「俺の手食べないでくれる、加賀見」
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