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「紙屋ぁ」 「大丈夫? 一人で怖かったよね」 「ッ怖くなんか……ッ……なんで加賀見が出てるって知ってんの?」 「……加賀見、俺の部屋にいるから」 「は?」 「部屋、変わってもらった」 「……へぇ」 「いっしょに寝よう? 笠原?」 「……ん」 笠原がつけていた明かりは紙屋に全て消された。 暗くなった部屋を満たす静寂に頻りに衣擦れの音が聞こえていたかと思えば、くちゅくちゅ、湿った音色と抑えられた声が薄闇に零れ落ちて。 硬くなった熱源が解しかけの後孔に夢中になって纏わりついて、あたたかく湿り渡ったその内側に、せっせと潜り込もうと。 「ぁ……ッかみ、や、ペース速ぃ……ッ」 「……もうちょっと馴らしてほしかった? でも、俺、もう限界で……ンッ」 火照りきったペニスが笠原のアナルにぐいぐい挿入ってきた。 まだ前戯が足りずにとてもキツイ奥を先っぽで抉じ開けるようにして、ぐいぐい、ぐぷぐぷ、いつになく強引に突き進んでくる。 笠原はぎゅっと眉根を寄せて、はぁはぁ息を乱しながら。 「はぁ……っあ……笠原……ッ」 自分と同じように喘いでいる紙屋の切なげな表情に……釘付けになった。 「紙屋……ッお前、えろぃ……」 布団の中、紙屋とぴったり密着した笠原はすべすべした背中にぎこちなく両手を回す。 すでにどちらも素っ裸だった。 肌が触れ合って、紙屋と同様に硬くなったペニスが腹の狭間で擦れて、律動が激しくなるともっと擦れて、カウパーがこぷこぷ溢れ出した。 「……俺のお腹に、笠原の、擦れて……濡れてる……」 「ッ、言うなよぉ……バカぁ……」 「……ごめん、かわいい、笠原」 夢中になってキスし合う。 ギシギシ鳴るベッドに興奮して重なる体温に安心する。 ぐちゅぐちゅと肉底で連続する濃厚摩擦にどこまでも昂ぶる。 「んあっぁっ紙屋ぁ……ッッ」 「笠原……ッはぁ……っ俺、もう、でちゃう、かも……ッ」 眼鏡が鼻先にまでずれ落ちるくらいピストンに溺れながら、紙屋は。 さっきまで一緒にいた加賀見のことを、ちらりと、苦々しげに思い出した。

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