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このタイミングでかよ的な加賀見からのメール。 恥ずかしいやら申し訳ないやら嬉しいやら、複雑な心境で顔色をころころ変えつつも渉は返信を打った。 <今帰ってきたばかりだよ> すると既読がつくのとほぼ同時にまたメールが。 <俺今外いるよ!> 「?」 <渉さんちの前いるよ!> 「え?」 携帯を手にしたまま慌ててバルコニーへ。 身を乗り出して下の路地を見下ろしてみれば。 「加賀見君」 明かりが点ったばかりの常夜灯下、両手をぶんぶん振っている制服姿の加賀見が。 渉の顔は花開くように鮮やかに、喜色満面、綻んだ……。 「友達とおやつ食べてた!」 「時々メールに出てくる仲のいい友達?」 加賀見はうんうん頷いた。 日が落ちたのでカーテンを閉め切って明かりを点けたワンルーム。 あほあほ加賀見、渉に促されたわけでもないのに制服でベッドに寝転がって凄まじくリラックスしている。 ソファに座った渉は特に気にするでもない、無邪気なあほあほ男子高校生に始終優しく相槌をうっていた。 加賀見君が制服着てるの、初めて見る。 何てことはない一般的なデザインで、半袖にズボンも膝捲りしていて、寒くないのかな? 暑がりなのかな? 私服より幼い感じがする……かな。 見慣れなくてどきどきしてしまう。 「七時過ぎたけどお家の人、心配してない? 晩ごはんは?」 「大丈夫、俺んち、とーちゃんに合わせて遅めだから」 「そうなんだ」 「今日、シチュー!」 「あはは。そうなんだ」 「くんくん」 「くんくん?」 何もない空中を見つめて「くんくん」を始めた加賀見。 正にきょとんな渉。 がばりと起き上がって犬みたいに「くんくんくんくん」していた加賀見はソファに座ってきょとんしている渉にあっけらかんと尋ねる。 「渉さん、おなにーした?」 あ。

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