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「あ、かたい」
服越しに、なで、なで、される。
「だ、だめ、加賀見君」
「渉さん、見てもいい?」
「ッ、だめッ」
「見てもいーい?」
「……だめ……やめて」
「見、」
「だめ」
渉は頑として譲らずに俯いたまま首を振り続けた。
「は、恥ずかしいから……見ないで、お願い、加賀見君」
「うん。わかった。じゃあ見ない」
ずぼっっっ!!
「ッッッッ!?」
「見ないから触らせてね」
ゴムウェストのズボン内側どころか。
いきなり下着の中にまで潜り込んできた積極的にも程がある片手。
抑える術もなく発熱してしまったペニスを握り込まれた。
「あっ」
「あ、剥けてる」
「か、加賀見君……っ」
「誰にもさわられたこと、ないの?」
ずり、ずり、ぬる、ぬる、興味津々に触れられる。
「だ……だめ……っ」
「痴漢にもさわられてない?」
「ッ、痴漢なんて……遭ったこと、ないよ……」
「ほんと? じゃあ俺が初めて?」
横向きになって小さく震える体にぴったり密着した制服。
大胆に服の内側に突っ込まれた片手が意味深な動きを始める。
渉はぎゅぅぅっと唇を噤んだ。
八歳も年下の男子高校生に股間をまさぐられて……感じてしまう。
他人の掌に初めて抱かれて全身にぐるぐる回る甘い熱。
濡れてしまう。
「ん、カウパーいっぱい。いつもこんな? 仕事が終わったら毎日おなにーしてるの? どんな風にするの?」
「い……や……」
「渉さん?」
深く俯いていた渉は恐る恐る顔を上げて背中にしがみつく加賀見へ視線を向けた。
「そんな、聞かないで……加賀見君……」
甘い熱に魘されて熟すように潤んだ双眸、弱々しげにびくつく唇。
はらりと乱れた髪。
切なげに捩れて昂揚した表情。
「んっっっ」
身も心も沸くに沸いた加賀見にキスされて渉はぴくんと揺れた。
美味しく感じられる唇を完食しそうな勢いでむしゃむしゃ貪る身勝手な唇。
同時に片手を動かす。
服に隠れて見えない渉のペニスをしごく。
しごかれて、しごかれて、しごき立てられて。
あ、あ、あ、どうしよう……もう、もうだめ……加賀見君……っ加賀見君……っ。
唇を塞がれた渉は心の中で何度も加賀見のことを呼号しながら……達した。
「ぱんつ汚れちゃったね」
「ッ……加賀見、くん……あ!」
ねっとり濡れた指を平気で「あーん」しようとした加賀見を……渉は必死になって阻止した。
「拭いて拭いて! 舐めちゃだめ! 絶対だめ!」
まるで難ありワンコを躾ける飼い主さん、なのだった。
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