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Ⅰ 俺の部屋に競パン野郎がやって来た⑦

ピッチピチ、ピッチピチ 二頭の競パン狼男(ワーウルフ)に喰われるーッ ワーウルフが不法侵入だ! 日本の警察なにしてる? 「ハロウィンは法律適用外だ」 「嘘だァァーッ」 つか、お前達。ハロウィンじゃなくても不法侵入してるよなッ 我が家のセキュリティーは、どうなってるんだァッ ピッチピチ、ピッチピチ 人狼共から逃げなければ! ピッチピチ、ピッチピチ カッポン、カッポン ピッチピチ、ピッチピチ ……うっ。下半身の魚のヒレ、肌に張りついて全然脱げない。 まな板の上の鯉 否 ベッドの上のマーメイドだ。 ピッチピチ、ピッチピチ カッポン、カッポン ……つか、なに? さっきから『カッポン、カッポン』…て。 「変な合いの手やめろよ」 「俺達、なにもしてないぞ」 カッポン、カッポン 「でも、この音」 「外だな」 ……あ。 また縣達の悪戯だと思い込んでいたけれど、確かに。 変な音は外から聞こえる。 ピョンピョンピョンっ お魚が脱げないから仕方ない。窓際まで跳び跳ねて、カーテンを開けた。 カポン 同時に、音も消える。 見下ろした真下の駐車場 街灯の明かりに映ったのは…… ヒヒィーン 「馬ーッ!」 白と黒 二頭の馬がいなないて。 あ、真っ黒な目がクリクリで可愛いなー……なんて眺めてたら。 カチッ……キキィ 金属の軋む音がした。 馬が馬車を引いている! カボチャの馬車だァァッ! さっきの金属音は、馬車の扉が開いた音だった。 切れ長の碧眼、黒髪……中から出てきたのは、おとぎ話の王子様まさにそのもの。絵に描いたような美形だ。 あれ? もう一人いる。 蒼眼で、灰銀の髪の……同じ顔。 双子の王子様だ。 耳にヒレ付けて、いわゆる半魚人の仮装が本格的だ。 ……って、なんでェェーッ スカイブルーとマリンブルー 王子様の下半身が競パンなんだァァーッ★ ……双子の王子様と目が合った、数分後 ガッシャァーン! 我が家のドアが開いてしまった。

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