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第8話

「何を考えている……」 「たぶん、あなたが考えていることよりも合理的なことだと思います。早く。口を開けてください」 「断る!」 「無理やりこじ開けられたいんですか? 痛いですよ? 痛いのは嫌なんじゃないですか?」  穂積を脅しながら浅川の左手は性器を扱き始める。ぬちゃぬちゃと夏には似合わない陰湿さとぬめりを帯びた音を立て、穂積を心理的に追い詰めていく。  成人男性の勃起した性器をこうまざまざと見せつけられては、どう反応すればいいのかもわからない。  ひとつ言えることは、浅川が穂積に対して行おうとしていることは、穂積の尊厳を奪うに値する卑劣な行為だということだ。 「か、考え直してくれ、浅川。そもそも僕である必要があるのか? 君とは数える程度しか会話したことがないし、君は僕に声をかけてくれたかもしれないけど、僕にとっては……迷惑だったんだ。うん、そうだ。だから僕に恨みがあって、僕が憎くて、こんな暴挙に出たんだろ? 君がしたいようにすればいいけど、あの、君が万が一それ以上のことを望んでいるなら、その願いは叶わないから……いっそ僕を解放するか駄目なら早く殺してくれ」 「お待たせしました。ようやく全部出そうです。ほら口を開けて。すぐに済みますよ。でも最後まで飲みこんでくださいね。あなたは俺の言うことを聞くしかないんだって、そろそろ理解してほしいんですけどね」 「殺して……」 「まだ殺さないって何度も言ってるでしょう聞き分けのない人ですね!」 「あっ、がは……っ」  浅川は檻の間に手を入れ、穂積のおとがいをすくい上げるようにして下顎を固定すると、もう片方の手で自らの性器を穂積の口に挿入した。あまりの臭いと嫌悪感に涙が溢れ出る。 「ああ、動かしたり、舌で舐めたりしなくていいですよ。今は。とりあえず俺がションベンしたかっただけなので」

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