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第2話
「んん、ちゅ、あっむ、ふぅ……ちゅちゅぱふあぁ……」
コシのある長い髪の毛をさっと左指でかきあげる様が色っぽい。愛してやまない人。僕は釘付け。
(愛しています時雨様……)
唇から漏れ出る甘い息。
時雨様が撫でるそこはもう喜びにひしがれ、まだかまだかと触ってもらえることを望んでいる。
「梓馬はエッチだね。どうされたいか考えてこんなにしていたの?」
「あ、……はい――はしたないと言われても仕方ないですが、僕は時雨様に触らられば触られるほど良くなって……」
「イケナイ子だね。そういう子は好きだよ。素直で、淫らで、そそる。もっと啼かせてあげるから準備しておいて? ん、んちゅ、くちゅ、ぴちゃり」
背中に口付けられ、思わず大きな声で喘いでしまう僕。感じる所を全て知りつくされていると言っても過言ではない。
「クス、素直な躰だね。触るのこれでやめてしまおうか?」
「……! お願いします。時雨様ぁ。最後まで。僕の事あいしてくださ……あ、あ!」
ペニスをやんわりとしごかれ、これ以上ないってぐらいの甘えた声を出してしまった。
そんな時。時雨様の自室のドアが開かれる。
「時雨兄さん! って……! 梓馬のこと抱かないでっていったじゃん。なんで抱いてるの?」
慌てて体を隠すように時雨様に抱きつく僕。
蜜月を邪魔されて、非常に気分が悪い。
榛晴人(はると)。時雨様の弟。弟とは思えない程ガサツで、空気の読めないバカ。
僕は脱がされかけた衣服を整えると時雨様の後ろに控える。
「いい所だったのに、邪魔するのが得意だね晴人は」
「うるさいな。いい加減俺に梓馬頂戴って何回言わせるの?」
「何回言おうと梓馬は私のモノだからね。抱きたいのなら抱いてもいいけれど、最後には私のところに戻ってくるのが梓馬だよ」
「時雨兄さん! 本当にいいんだね。受けて立つよ。梓馬は僕のモノ。父さんだって梓馬が僕の執事になってもいいっていってたし、貰う」
僕をモノ扱いする晴人が嫌い。誰が抱かれるか。
そんな事を考えつつ、甘い疼きに身を焦がす僕だった。
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