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第6話

「時雨様、ご奉仕させていただきます……は、んむ! んちゅちゅぷ、れろれろちゅぱ!」 「ん……昔に比べて舐め方が随分と上手になったね。んん……いいよ。もっと咥えこんで?」  ぴちゃぴちゃと水音が室内に響く。その音を立ててるのは僕なのだけど、今日は恥ずかしさとか、勿論、嬉しさはあるんだけど、切なさで胸がいっぱい。 『ただご奉仕をする』のではなく、愛しさがこみ上げて必死になって咥えてこれでもかってぐらい、舌でぺろぺろと舐めあげていた。  頭を優しく撫でられながらするフェラはなんともいえないけれども、まるで褒められているようで僕は嬉しい。 「僕、時雨様に仕える事ができて幸せなんです! ふ、ひゃっ!」 「続けて、私も梓馬のミルク欲しくなったから舐めてあげる。でもだめだよ? 感じすぎるからってお口をお留守にしちゃ」 「ひゃ、あ! あ! ちゅぷ、そん、な激しく……しちゃ――んぐ、ぴちゃれろれろ、ぴちゃっ! んんん、ん! はぁ、ふ、ふぅんあ、あ、あ! し、ぐ、れ様……きもち、ふぅ……いいれす」 「私のものを舐めてただけなのに、こんなにペニスを膨らまして、淫乱」  淫乱という言葉に激しく照れてしまうと同時に、時雨様が、我慢汁をすするので僕の頭は真っ白。イク寸前。だって時雨様は激しくて、上手で僕が望む事が手に取るようにわかるように、僕を時雨様色に染め上げていく。 「まだイっちゃいけないよ?」 「もう、だめですンンン! ひ、ぐへふ、ふぅん、っは! っは!」  容赦のない攻めに僕は必死に、我慢とご奉仕とをするけれども、どうしてもご奉仕を怠ってしまう。そして、だめといわれたのにイッてしまった。しかも時雨様のお口の中で。 「ちゅる、じゅる……じゅるんぐ、んぐ」  嚥下してくれる時雨様。心の中が暖かくなる。どうしようもなかった 「イッてはいけないって言ったのに、でも今日はよく我慢したからね。それに、なんともいえない精液はΩだからかな? 甘くて何度でも飲みたくなってしまう。私の可愛い梓馬は、本当に私をその気にさせてくれるね」  そんな事を言いつつも、後孔を舌で優しく啄んで、解(ほぐ)し始める主様。 「ん!」 「力を抜きなさい私に身を委ねて。梓馬の顔がみたい。感じてる梓馬の淫靡な顔みたい」  そう言って僕を改めて抱きしめると僕は時雨様の首に手を回したくましい胸板に抱かれた。 「どこもかしこも私好みにカスタマイズされちゃって、もうお婿にはいけないね。こんな淫乱な梓馬は、女の子に逆にいいようにされてしまうんじゃないかな?」 「僕の相手は時雨様だけだって心に誓っています。女の子なんて興味ありません」  言葉の通り、僕は女の子になんて興味はない。あるのは時雨様たった一人。  けれど、 「女の子の一人や二人転がしてみるのも悪くないと思うけれどね。晴人から聞いているよ、モテるそうじゃないか」 「そんな、僕には無理です。時雨様に抱かれる事こそが僕が喜びを噛み締められるという実感。『生きている』という証なのです。女の子なんて知りません!」  頭に血が昇っていた僕は口答えをしていた。それに気づいた僕はすぐに『申し訳ございません』と謝るけれども、時雨様はじーっと見つめたまま僕に何もしてくれない。  不意に、 「少し昔を思い出していただけだよ。怒ってない」 「えっ?」  かすれた声でいわれたのでなんて言ったかすら聞き取れなかった僕は、聞き返そうとしたけど、 「梓馬、宣言した通り、今日は足腰立たなくさせてあげる。君の全部をさらけ出してもらわないとね」  言うやいなやベッドが軋んでギシギシと音をたてて、大暴れ。  時雨様の『愛』ちゃんと受け取るの大変です。  意識が途切れる瞬間、 「私だけの可愛い梓馬。誰にも渡さない」  という声が繋がったままの体位で聞こえた気がした。

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