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第15話

 時雨様はにっこりと笑っているけれども、どこか昏い笑みを浮かべる。ご主人様からひしひしと愛は感じるものの、何か違う。方向性が! 何か渦巻いている! 「ねぇ、梓馬、私はね君に夢中なんだよ。誰の目にも触れさせたくないってたまに、いやいつも思うぐらいに、すごくすごく愛しているんだ。自分でも笑えるぐらいにね」  自嘲する時雨様は、僕の足を持ち上げM字に開脚させられ嫌でも膨張している僕のあそこが目立ってしまう。そこを優しく撫で回して、恋しくさせられているのにだ、 「君にはわからないだろうけれども、私はとっても嫉妬深い男なんだから。君の口から出る言葉でどれだけ気が狂いそうかわかる? わからないよね。わからせてあげるよ」  視線が険しい。本気の本気。怒らせてしまった。でもどこかで嬉しいと感じている自分がいる僕はもう直に触れてほしくて、手が恋しくて恋しくてたまらなくなってるのにと訴えたいけど、許されるはずもなく……。  僕の口は塞がれ舌が麻痺するぐらい絡ませあう。歯列を割って入り舌を絡ませ吸いあげられ、くらくらとする意識の中、夢中に貪って『愛してる』ということを伝えているつもりだったのに。 「はむちゅく……れるれるちゅる……はっ! くちゅくちゅちゅぼ……」 時雨様の手は乱暴にも僕の臨場体制に入っていたペニスに触れ、『やっと甘い刺激を与えて戴ける!』と待ちわびていたのに……。  ご主人様はなんと乱暴に愛撫をしたかと思うと、何を考えたか、手首の赤い呪縛を解いた。  激しい愛撫で、息も絶え絶えになって、涙目になりながら肩で息をしていた僕の目の前で、なんとペニスにリボンを巻き付けるという暴挙にでる。僕のモノを縛ってしまったのは時雨様なのに、いつにもなく切羽詰まった顔をしていた。 (どうしたらいいかわからない……。時雨様を落ち着かせる方法、思いつかない!)  ねぶる様になめあげられる乳首。転がされても、アマガミされても僕は物理的にイケない。気持ちが良すぎてイキたいのにイケない。きっと朱色に染まっているであろう僕の頬のように赤いリボンが僕のペニスの根本を甘く締め付ける。甘くなんてもんじゃない。はっきり言って辛い。  時雨様の手はマジックでもするように、僕の体を触る所触る所感じさせる。  舌で転がされる乳首もいいけど、手で摘まれたり、引っ張られたりするのもいい。  今ですら僕は理性が保てないというのに、大きな声で『イカせてください』と懇願しなくてはならなくなる。けれど、触って欲しいところを触ってもらえない切なさにも悩んでいて、僕の頭は爆発寸前。もういっその事思い切りペニスを時雨様の手で擦り上げて欲しい。 「し、ぐれさま、僕、も、うだめ……時雨さ、まの手で、いっぱいしごかれて、愛されていき、たいです。時雨様だけに触って、欲しい。しぐ、れ様だけが僕のをいじっていっぱい滅茶苦茶にされて……。僕のいくとこみてほしいです。僕にはしぐれ様だけしか……いないから。時雨様、愛しています! 誰のものにもならないでください」 「それは本気で言ってる? 嘘なんていわれたら私は……」  真剣なのにっ……!  僕は手を伸ばして時雨様の頭を抱きながら、 「僕は真剣です! いまは僕だけ考えて欲し、です。僕の手も足も、どこもかしこもしぐれ様のものだからっ! 僕はもう時雨様がいないといきていけなっ! あ、あ! ああ! そんな強くしごかれたら! イッちゃう、イッちゃう!イッちゃうのぉおおお!! ああああっ――!!」  時雨様の手で思い切りしごかれたペニスは、ついに赤い呪縛から放たれペニスはまるで踊る様にイッてしまった。

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