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第22話 晴人と京

 あ、そうだ。番になった記念に京に似合いそうなペンダントを買ったんだった。 「京、お礼というか、こんな美味しい茉莉花茶を入れてくれたお礼だ。」 『じゃら……。』 「気に入ったか?」 「わ、私にでしょうか? このような高いものを……戴けません。差し上げる相手を間違っておりませんか?」 「お前に似合うと思って買ってきたんだ。クロスのペンダント気にくわないか?」 「まさか、このような素敵な品物を頂けるなんてっ! 喜びです。晴人様ありがとうございます!」  お、良い反応。梓馬より可愛いかもしれない。  思わず手で顔を隠してしまう俺。真っ赤かも。  でも喜んでもらえると嬉しいものだなぁと感慨深く思った。 「つけてやるよ。こっち向けほら!」  首筋にはいくらか前に噛んだ『番の痕』があった。はぁ……梓馬ぁ。 「今梓馬のことかんがえましたね。フフ」 「か、考えてなんかいないぞ。ただ似合うといいなって思ってどうだ?ほら鏡。俺は似合ってるように思うけれど」 「これ、すごく素敵です。私はそのモノの価値とかわからないのですが、とても素敵なモノだということはわかります。一生大事にします。ありがとうございます!」  華やかな笑顔に俺は良しとして『ニカッ』と笑ってみせた。 『ッギュ』と握り締めて大切そうにしている指先を握りしめ、すると自然と体温を感じる訳で、暖かみのある手を俺は感じながらこう言った。 「一生お前は俺のモノだ。だからよく働け! それで忠誠を捧げろよ」 「っは。仰せのままにっ!」  いい気分だった。都は可愛い可愛いばかり言って、勉強も的確に教えてくれたし、梓馬の写真もくれた。いいメイドだったな。だから姉弟揃って良い執事の鑑なんだなと。  梓馬の件は本当に悔しかったけれど、京も梓馬に似ていてなかなか……可愛い。  小さい体に、口元のほくろが色っぽい。けれどそれとは裏腹に、決意をともした勇敢な瞳をしている。なかなかに良い。 「そ、その梓馬はどうしてるんだ? あれからあんまり話していない」 「あず……失敬。梓馬は時雨様といつも通りベタベタとしましたね」  時雨兄さんには敵わないか……。チキショウ! あーもうっ! 俺の恋は終わってしまった。  しばらく恋なんてできないんだろうなぁ。俺はそう思っているけれど、さっきキスされた事を思い出す。そうすると『カッ』と体が熱くなる。  まさかな。まさか、京に恋したなんて訳ない。そうない。 「茉莉花は安らぐな。はぁ~宿題でもやるかな。わからないところがあったら教えてくれ。主は神だろ? 違うか?」  尊大にみせてはみたが、格好がつかないかもしれないなぁと思った。  けれど、京はにやりと嘲笑い、俺の手をすくい取ると 「仰せのままに」  といい、忠誠のキスを手の甲に落とした。

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