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第43話

 久々にお口に挿れたから口がふやけている。  喜んでもらえて嬉しい。 「お背中流しますね!」 「あ、お願いするよ」  ごしごし……綺麗にしなくちゃって、時雨様は綺麗だけど、疲れをとっていただかなくちゃ。  一生懸命泡立てて手ぬぐいて擦ると気持ちよさそうにしている。そのままシャワーをかけて背中流しは終わりって所で、時雨様は不意に振り返ると僕顎に手を添え、キスをしてきた。  ただでさえ、僕はさっきしたフェラが思った以上に幸せで、機嫌がよくなってたのに、不意打ちのキスで更に張り切ってしまう。  でもこれ以上はしないって決めてるからなんとも言えないけど。 「梓馬ベッド行こうか、久々に抱きたくて自分で――んん……」 「抱きしめるのはありですが、挿れちゃだめです。僕を使うのはいいとは思うんですけど、他の人に挿れられた穴なんて穢れてます。時雨様を穢せないので許してください」 「そんな! 梓馬、ひどい! 寸止めなんて」  恨めしそうに僕を見るけど僕は譲るつもりはなかった。  体を拭いて差し上げると拗ねている時雨様。この人はもう……大人なんだか子供なんだかわからない。僕が言うのもあれだけど。  裸のままベッドへ連れて行かれる。結構眠気があった。  今日は安心して眠れそう。  時雨様はなんて顔してるんだろうってぐらい切なそうな表情をして聞いてきた。 「梓馬だめ?」 「だ、だめです! こらだめですってば!」  僕のお尻を触っている時雨様。 「仕方ないな……梓馬がその気になるまで待つとするよ。はぁ~梓馬ぁ」  時雨様は僕をきつくきつく抱きしめて、どうしたのかというと、時雨様のペニスが当たっていた。寝る前にもう一度お口と手ですると気をどうにか寝る体制に入ってもらって、 抱きつきながら僕は、時雨様と一緒に眠った。 「梓馬のいけず……」  そんな嘆きが聞こえたような気がした。

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