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星流SIDE 5
「斑鳩は好きな人居ないのか?」
手を休め、お茶・ジュース・珈琲を飲みながら休憩してた時、先輩が口にした。
斑鳩が3年になったと同時に寂しがり屋の斑鳩を励ます意も込めて、毎日先輩・翠葵も一緒に皆で勉強会をする様になった。
自分達の勉強の傍ら交代で斑鳩に勉強を教えている。
そういえば斑鳩から恋愛の話聞いた事ないな。
斑鳩と恋バナ、違和感半端ない。
「俺、星流好き」
うん。それは知ってるが、多分それは恋じゃないぞ?斑鳩。
「そうじゃなくて、学校で気になる人居ないのか?」
「ん~、居ない」
そっか。
「なら斑鳩、溜まった時どうしてるんだ?」
ブッ!!
ブハッ!
僕と翠葵、ダブルで噴き出した。
ちょっ、飲み物飲んでる時に何聞いてんだよ先輩。
零しちゃったじゃんかお茶。
「何もしない」
おい。
「でもαなら毎日溜まるだろ?出さないと病気になるぞ」
お~い。
「毎朝下着汚れるからヤダ。最悪、不便」
「まぁ、そうなるな」
何二人して当たり前に変な会話してんだよ。
「受験も大事だけれど、そろそろ番探しした方が良いかもな、健康面の為にもさ」
ん~、斑鳩の相手かぁ。
斑鳩は顔が整っている上に長身でスタイルが良い為、物凄く人気がある。
恋人探しは簡単だろう。
が、適当に決めるのはなんか嫌だ。
付き合うのなら好きになれる人じゃなきゃなぁ。
う~ん。
斑鳩と同学年で良い人。
ぅうう~ん。
必死に色々思い出す。
ある程度綺麗で頭が良くてしっかりしていて斑鳩を大切にしてくれそうな人。
思い出す限りの人達を頭の中に浮かべ、絞り込む。
そういえば、新しい副会長綺麗な顔してたな。
確かΩだったし、αの斑鳩となら良い感じにならないかなぁ?
「副会長の篠原君はどう?綺麗だし、良い子そうだったよ?」
役員引き継ぎの時顔合わせしたが、好印象だった。
あの子になら斑鳩を頼んでも大丈夫そう。
「嫌いじゃないけど、好きでもない」
うん、嫌いじゃないならチャンスはありそう。
僕もそんな感じで先輩と一緒に居るけれど、段々絆されてるしね?
「そもそもキスとかしたいって思わないから付き合えない」
ん?
えっと斑鳩。
僕とは何回かそれっぽいのしてるよね?
ああ、あれは恋愛感情なしだから出来たのか。
「自慰の仕方も分かんないからエッチの仕方も分かんない」
……………………え?
有り得ない台詞に
「はぁ!?した事ないのか?」
「え、分からないの?」
「マジか」
僕達は全員驚愕の声をあげた。
「取り敢えず今日は勉強ひとまず休んで違う勉強するぞ」
先輩がiPadを取り出し、ネットを繋ぐ。
「男女の性交方法は分かるよな?」
「ん?」
お~い斑鳩何故頭を傾ける。
「男性Ωとの方法は分かるか?」
「ん?」
先程同様キョトンってしてる斑鳩。
まさかコレ、全く知らないとか言わないよな?
「男女の方法は小・中で、男性Ωや女性αとの方法は中・高で何回も保健体育の授業で習っただろ?」
うん、うん。
「寝てたから聞いてない」
だよねぇ、斑鳩ならありそうな答えをありがとう。
ほんっと何故大事な話の時寝るんだよ、もう。
はぁぁぁあ。溜め息を吐くと
「ならまずはココからな」
ネットを通じて先輩が斑鳩に保健体育の授業を始めた。
暇になった僕と翠葵は特にする事がないので自分達の勉強を始めた。
どれ位時間が経ったのだろうか。突然
「ぁん」
いかがわしい声がして慌てて顔を上げたら
「ちょっ、何見せてるんですか先輩」
先輩が斑鳩にエッチな動画を見せてた。
「ん?男性αは抱く側だろ。抱き方分からないと後々困るからな、取り敢えず映像を見せようと思って」
まぁ、確かに一理あるが恥ずかしい。
その後先輩は男女間の動画を複数見せた後、当たり前の様に男性Ωとの絡み動画も斑鳩に見せた。
最初僕と翠葵は羞恥で死にかけていたが、真面目に先輩がそれを教材として斑鳩に丁寧に解説するものだから、途中から自分達も一緒に勉強していた。
やらしい目線や気持ちで見たら恥ずかしくなるけれど、元々これは子供を作る為の神聖な儀式だもんな。
動画・イラスト・画像を使い、丁寧に説明していく先輩。
一切の恥じらいないし、物凄く分かりやすい。
やっぱり先輩先生に向いてるよ。
アナルに前立腺以外にも性感帯があるなんて初めて知った。
先輩としてると、唯々気持ち良いしか感じられなくて何処がどう気持ち良いとか考える余裕ないもんなぁ。
流石先輩、物知りだ。
ある程度教えた所で
「基本は全部教えたからもし気になる所があったら、あとは自分達で調べるか勉強して?」
先輩は授業を終わらせた。
「ちょっと疲れたかな」
苦笑いする先輩。
時計を見るともう21時を軽く過ぎていた。
そういえば夜ご飯も食べてない。
「すみません、先輩。疲れましたよね。今から何か作ります」
慌てて台所へ向かった。
因みに今日は僕以外の家族は用事で不在だ。
「星流、今から作ったら遅くなるから何か食べに行こう。奢るから芹生君も斑鳩も食べてから帰ると良い」
「ありがとうございます」
「ありがと」
その後全員で近くのファミレスに行ったのだが
「やっぱり俺性欲ないかも」
心配そうに呟く斑鳩に
「慌てる必要ないって」
「まぁ、好きな人出来たらどうにかなるんじゃないかな?」
「気にしたら余計ダメになるから気にするな」
僕達は出来るだけ優しい言葉を口にした。
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