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第24話
「ごちそうになってばかりじゃ悪いから、次回は俺が招待しようかな」
いたずらっぽく囁かれたのは5回目のデートだった。
これっぽっちも悪いなんて思っていない態度でうそぶく加賀美に、リカルドは警戒しながらも乗ってしまう。
「それは嬉しいね。どこの店?」
「リクエストは?」
そう尋ねられてリカルドは考えた。
そんなことを考えたことは今までなかった。秘書や執事がいつも手配していたから、自分で店を選んだことなどない。
リカルドはそこまで食事にこだわりがなかった。黙って座って待っていれば、それなりのものが出てくる環境で生きてきたから。
加賀美はリカルドがどんな返答をするか試しているようだ。だけど、どんな店名をあげてもしっくり来る気がしない。
「…アキトが選んだとこならどこでもいいよ」
「かしこまりました。ご予約しておきます」
口元だけで微笑んで、加賀美はいたずらな表情で頬に優しくキスをした。
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