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第8話

そうは言っても若い体は正直で。 カラオケボックスで純太を抱き締め「こら、ワンコ」と怒られながら純太の匂いを嗅ぎまくったり、夢中になってキスをしていると、いつも前を盛大に勃たせてしまう。 そんな俺を「匂いでバレるから我慢しろ」と自分も反応しているのに純太は宥め続け、二人で苦行に耐えた。 だが俺の誕生日、電車を乗り継いで街へ映画デートに出た後、誕生日プレゼントがあると言って連れて行かれた先はラブホ。 もしかして純の体に触らせてもらえるのだろうか、ひょっとして舐めてもいいと言ってくれるのだろうかと俺は心臓をバクバクさせ喉もカラカラになっていたのに、部屋に入るなり「俺のバージン、お前にやるよ」と男前な宣言。 当然、童貞の俺が無我夢中でがむしゃらにむしゃぶりついても、「おいおい、慌てんな」と笑って受け止め、初めての痛みに涙をこぼしながらも「浩司、おいで」と受け入れてくれた。 あんまり純太が綺麗で、あんまり気持ちがよくて、純太が俺を最初の男にしてくれたことが嬉しすぎて。夢の中どころか、俺は実はもう死んでるんじゃないかとさえ思った。 純太は卒業後の進路を早々に決めていた。東京の美容専門学校へ入って美容師になるという。 金を掛けてお洒落をしている訳ではないのに、どこか垢抜けていてセンスの良い純太には合っていると思った。だが、あのしなやかな白い指が自分だけでなく他人に触れるのかと想像すると腹立たしい。そう訴えると純太は可愛い奴めと笑ってキスをしてくれた。 だが、それよりも問題なのは地元と東京との距離。電車を乗り継いでゆうに片道2時間以上掛かるから、そう頻繁には会えなくなる。 「心配するな。東京では一人暮らしするから、ゴールデンウィークや夏休みには呼んでやる。ぼろアパートになるかも知れないけど、安心して二人きりになれるだろ?」 カラオケボックスの死角で膝の上に乗せた純太を抱き締める。 「純、浮気すんなよ?俺、絶対別れねーよ?」 「当たり前だろ。浩司こそ寂しいからって浮気するなよ?最近ちょくちょくコクられてるだろ、お前」 からかうように片方だけ口角を上げ、俺の髪をわしゃわしゃとかき混ぜる。 そんな純太の胸に顔を押し付け、甘える。 「ひでえ、俺が純にメロメロなの知ってるくせに。俺も絶対東京の大学に行く。一緒に住みたい。それが無理でも、純の部屋に入り浸る。ずっと一緒にいる。そんで、いっぱい純を抱く」 「ふふ、きっと来いよ。待ってるぞ」 そう言って頭を抱えつむじにキスをしてくれる純太に俺は心底惚れていた。 純太の上京前にもう一度だけ、ラブホで抱き合った。 離れるのが辛くて堪らなかった。だから自分の痕跡が少しでも純太に残るように、体中にキスマークを付け、もう何も出なくなるまで執拗に求めた。 そんな自分本位な俺の振る舞いも、お前の気持ちは分かってるよとばかりに、純太は優しく応えてくれた。

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