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第3話

「おいで」 全裸で涼は男の前へ進む。天井から垂れている腕輪に両腕を上げて拘束され、胸にはクリップを挟まれた。男は挟む力を確認すると、もう少し強くしようと呟き、クリップ横のネジを締め上げる。 「うっ」 乳首の痛みが涼を苛む。 「大学の仲間とハロウィンパーティをしたらしいね。由美が言ってたよ。大学に通わせることが出来て良かった、俺に感謝してるとさ。由美は本当に、純粋で可愛い」 男は話しながら鞄から何かを取り出す。 「選ばせてあげるよ。一本鞭とパドル、どっちがいい?」 トリックオアトリート! サークル仲間が映画撮影を兼ねたハロウィンパーティで発していた言葉が涼の頭に浮かぶ。 お菓子を提供させられるか悪戯されるか。 一本鞭かパドルか。 選ぶ方にメリットは何もない、不公平な選択。 「鞭で…」 「よし」 ヒュッと空気を切る音と同時に背中に衝撃が走る。 「ああっ」 痛みは一本鞭の方が強い。しかしパドルで乳首やペニスを狙い打ちされるのも辛い。 打たれる度に身体が捩れ、拘束されている手首にも負荷がかかる。 バシッ!バシッ! 「ひゃあっ…あんっ、あっ」 涼の背中から大腿にまで赤い傷痕が刻まれ、ようやく男は鞭を手離す。 「よく頑張ったね」 耳元で囁かれ、耳朶を噛まれると同時に臀部にローションが流される。 腰を掴まれ、男の指がローションを絡めながらアナルに挿入された。 「あ…や…」 指を二本で中を押し拡げられ、すぐさま三本に増やされる。 「ん…」 「誰にも触らせていないね?」 「あ…どうしていつも聞く…ん…あ…」 「世界が広がれば誘惑も多い。最近は就職活動で、出歩く事も多かっただろう。一生困らない財産は既にある。就職などしないで俺のそばにいればいいのに」 男は指を引き抜き、自身の硬く立ち上がった楔を涼の中に打ち込む。 「あ…やっ…あっ…」 後ろから腰を掴まれているとはいえ、出し入れを繰り返されるたびに拘束されている手首が痛む。 「あーっ」 男は手を伸ばし、乳首のクリップを引き抜いた。引き抜かれた時の乳首への負荷と、止められていた血流が一気に戻る痛みが同時に涼を襲う。 「いくよ」 一層激しい抽送を繰り返しながら、男は後ろからじんじん痛む両乳首をさらに捻り上げた。 「うぁああ…」 悲鳴に近い涼の声を聞きながら、男は果てる。 「こんなに泣いて、可哀想に」 涼の腕の拘束を解き、苦痛に溢れ出た涙を男は手で拭う。 その男の手を涼は振り払った。 「あんたがした事だろ」 バシッ! 途端に手加減の無い平手打ちが涼の左頰を襲った。 「口の聞き方がなってない」 涼は殴られた頬を手で抑えて暫く無言でいたが、やがて声を発した。 「シャワー先に行くよ…義父(とう)さん」

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