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第7話

「涼、『ビデオを止めるな』の編集が終わったんだ。俺の家に見に来いよ」 「じゃあ、そうしようかな」 数ヶ月後には卒業する。糺と少しでも長く一緒にいたい気持ちで応える。 「あはは、佐藤の返し絶妙。お前の表情も良い。これ、俺にもDVD-Rに焼いてくれよ」 「良いよ」 涼は糺が編集し終えたハロウィンパーティ映画を笑いながらパソコンで見ている。 糺は画面を見ている涼の横顔を見つめていた。 「お前の首噛むところ、我ながらエロ綺麗に撮れたよ」 「うん、俺も一応女に見えてる。メイクとカメラワークの勝利だな」 「いや、お前は元から綺麗な顔してる」 糺の言葉に涼はパソコンから顔を上げた。 「…あは、ダチに向かって何言ってんだか」 糺は涼の頬を両手で抑えた。 「涼、俺は本気でお前のことを綺麗だと思ってる。この映画も、後輩達の指摘通りだ。ほんとはお前を撮りたかった」 「えっ?」 「涼、今日はもう、告白するつもりでお前を家に誘った。好きなんだ」 糺は涼にキスをした。舌を入れ、上顎をなぞり口内を貪る。 ー俺は糺にキスされてる。糺が俺を好きだと言っている。 涼は信じられなくて、でもそうであれば良いのにと心の奥底で願っていた事が起きて、夢で無い事を確かめるように今の状況を反芻する。 唇が離れた。 「涼、突き飛ばすとかしろよ。でなきゃこのまま最後までするぞ」 言ってはいけない、自分にその資格は無い、そう自制する涼の気持ちは、糺を好きな想いに掻き消されていく。 「…いいよ」 糺は涼を見つめる。 「涼、ほんとに?わかってるのか?冗談なんかでキスまでしないぞ。俺は本気だ、本気でお前を」 「俺もお前が好きだ」 「嘘だろ…本当にお前が俺を?」 「好きだよ、糺」 糺は再び涼の唇を奪った。今掴まえなければ涼が消えてしまいそうな、そんな余裕の無さで涼の身体に舌を這わせる。 「電気、電気消して」 もう消えているとは思うけど、涼は自分で確認出来ない背中の鞭痕が気にかかる。 「お前、女の子みたいな事言うなあ」 「…恥ずかしいから」 「やば…あんま可愛い事言うなよ」 糺は部屋の電気を消し、互いに生まれた姿になり涼への愛撫を施す。耳朶から首、鎖骨をなぞり乳首を摘むと、涼の喘ぎが増す。

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