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第8話
「あ…ああ…」
糺は涼の窄みにローションで濡らした指を這わせる。
「ごめん、冷たいかも」
「それ…用意してたのか」
「お前に告白すると決めた時から、引いた?」
「そんなわけ…んああ…無い…」
冷たさを気遣い、涼の反応を見ながら進める指使いは優しい。
サディスティックなセックスの経験しかない涼はその指に、気遣う甘い声に溺れる。
「涼、いいか?」
「うん…」
糺が涼の足を抱え中に入って来る。
「あっ…ああ」
奥まで進むと、糺は涼を覗き込む。
「動くよ、涼」
「いい…糺、あん…糺…」
糺の抽送はどこまでも優しい。涼の中心を梳き、涼の快感を導きながら進めてくれる。
「あっああ…」
貫かれる行為はどうしても痛みを伴い、自然と涙が溢れる。ただ、想い合う相手に抱かれながらの行為は、上質なシルクのベールで包まれているような、そんな幸福感を涼にもたらした。
「涼、涼好き、好きだ」
糺が涼の名を呼びながら動きを加速する。
「あっ…好き…俺も好き…糺」
二人で共に昇りつめ、共に果てた。
翌日、糺は涼に鍵を渡した。
「働いて、多少蓄えができたら二人で暮らそう。2LDKくらいの家借りてさ。それまでは就職先もこのワンルームマンションから通うから、お前合鍵持っておけよ」
「うん…糺」
「何?」
「凄く嬉しい」
糺は微笑んで、涼に口づけた。
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