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第4話

ビールを飲み終え、自分もデザートは翌朝にと思ってプリンを冷蔵庫にしまうと、ショーンは食器を台所に運んだ。それをポールが手伝ってくれる。 「洗い物は僕がやるよ」 「いいよ、疲れてるんだし。椅子に座ってゆっくりしてて」 シンクに積まれた汚れた食器を前に、ポールがワイシャツの袖をめくろうとするのを止めた。彼の肩を抱いてテーブルに戻るように促す。 「洗い終わったら、一緒にシャワー浴びよう?」 「……でも」 「申し訳ないとか、思わなくていいよ。ほら、休んでて。ね?」 ポールの白い頬に軽くキスをし、シンクに水を流し始めた。が、ポールはその場から離れようとしない。洗剤をつけたスポンジと皿を手にしたところで、ひたりと身を寄せてくる。首をわずかに傾けて彼を見れば、その姿に胸のうちで「あ」と声が漏れた。 ポールはショーンの腕にわずかに体重をかけ、ひどく心細そうに目を伏せていた。 そして、ショーンが着ているスウェットの裾を掴んで、先ほどキスをした頬を肩に擦り寄せてきた。 「ごめん」と、沈んだ声が聞こえてくる。「迷惑じゃなければ、貴方のそばにいたい……ごめん……」 ……そりゃあ、そうだよね。自らの浅慮さに悔いるように苦笑した。ポールは今、心がひどく弱っているのだ。人のぬくもりに縋りついていたいに決まっている。 自分だってそうだ。だから、これまで何度となくポールに甘えてきた。気持ちが落ち着くまで存分に甘えて、そうして彼を心の拠り所としていた。自分も、彼にとってのそうでありたい。あるべきなのだ。 ショーンはスポンジと皿をシンクに置き、タオルで手を拭く。そして、口を開いた。

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