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神山の優しさに触れて
「せん・・・せ?」
マントを肩から外し、それで僕の体を包み込むと、横に抱き抱え、保健室を急いで後にし、近くのトイレに駆け込んだ。
「まだ、気持ち悪いか?」
背中を擦ってくれる彼の手、いつもより温かい。その上、嫌な顔一つせず後処理までしてくれた。
「自分で出来るから‼」
「俺がしたいんだ。黙ってろ」
胸のポケットにあった真っ白なハンカチを、水道の水で濡らし、下肢を綺麗に拭ってくれた。
ふふふ、と神山が急に笑い出した。
「仕方ないだろ。好きな人に触れられたら、その・・・勃つの当たり前だし・・・」
頬っぺたを膨らませ、ぶっきらぼうに言うと、
「今、好きな人って言ったな⁉」
「言って悪いかよ」
恥ずかしくて、目を合わせることが出来ない。
「20も年上の、心からしたらオヤジだ。それでもいいのか⁉」
「うんーーいいよ・・・」
頬っぺたが燃えるように熱い。
心臓がドキドキする、今にも破裂しそうなくらいに。
「心・・・愛してる」
チュッと、頬っぺたにキスをされた。ビリビリと電流が体の中を駆け抜け、それだけで体が疼き始めた。
「せんせいの・・・欲しい・・・」
気付けば、律くんと同じ事を口にしていた。
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