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第4話 -白羽side-
次の日
「ねぇねぇ、白羽くん‼ここの数学教えてよ」
あぁ、どいつもこいつもしつこい。
「んぁ?知らない。」
「もう、嘘ばっかり。白羽くん頭いいじゃん。」
「んじゃぁ、前の席のやつに聞けよ。
あいつ、頭いんだろ?」
俺は今、一番後ろの席だその前にいるのは…
「え、あ、黒田くんのこと?
そうだねぇ。でもやっぱり白羽くんが…」
「あぁ、もううっせんだよ。先生に聞け」
なんだよ。俺の目の前には学年トップ3の超良い子ちゃんがいるだろ。
黒田 誠。
あいつはなにも聞こえてないかのように教科書開いて予習してやがる。
なぜみんなあいつと話さない。
なぜあいつを空気のように扱う。
まるでそこにいないような。
俺はまだ、記憶を取り戻してない。
でも体は、心はあいつをずっと求めてた。
急に距離を置かれて寂しかった。
昨日言った事は本心だ。
どからこそあの日言われた事に
俺は何も言えなかった。
俺はあいつの何もを知らない。
知ろうとしてない。
でもそれじゃきっとこのままでおわる。
記憶を取り戻すため、俺はあいつのことをもっと知りたい。
その為に何ができるか、
まずはあいつの日常を知るべきなんだ。
今度はあいつが俺に歩み寄って支えてくれたように、
俺があいつを支えれる立場になりたい。
というのにこいつは…
「あ、すみません。」
「あ、ごめんなさい」
「あ、ごめんなさい、僕は…」
あ、あ、あ、
お前は千と千○の神○しの
かお○しかよ
何で俺はこいつの事が心に引っ掛かるのだろうってたまに思う。
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