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第24話
似て非なるものといえど僕は別に事故にあって記憶をなくした訳ではないから、もしかしたらそもそもが違うしかもしれない。
でもそこに至るまでの経緯は正直ほとんど同じだと思った。
白羽は僕達がまだ小学生の頃で友達関係だった時までは思い出したと言っている。
正確には初めて遊んだりしたときだけど、結局の所恋人になった時とかは思い出してはいない。
それに白羽に僕の過去を話したとき事故の根源は口にはしていない。
間接的に伝えただけだ。
僕が原因で事故をした。
ただそれだけしか伝えてない。
映画の終盤では僕はもう映像がただ目に映るだけで頭には入ってこなかった。
暗くしていた照明は気づけば明るくなり周りの人たちが次々と立ち始めてた。
「おい?寝てたのか?もう終わってるぞ?」
白羽に話しかけられやっと我に返る。
隣にいた彼は一体本当はどこまで思い出したのだろうか。
聞くのが怖い。
事故の時を思い出してほしくない。
でもそれが白羽の為なのか、嫌われたくない自分の為なのかわからない。
「誠?お前またいろいろ考えてんだろ?もうそれ癖だよな?」
「え?ごめん!そんなつもりじゃ…」
「まーた謝ってるし。どうせ見てた映画のことだろ?
心配しなくてもいいって」
それは事故のことを思い出したからって事だろうか。
「心配って何が?」
僕は訪ねた。
「何がって男同士の事だよ。別に周りがどう感じても俺は俺が思ったことをする。変に迷って後悔はしたくないんだ。」
どうやら事故の根源は思い出してないみたいだった。
「そうだよね。うん。僕も、もう後悔はしたくない。これからは絶対に白羽を守るから。」
白羽からは怪我人が言うなよ。といわれ、最後にはアホと付け加えられて頭を小突かれた。
僕はもうとにかく今日は考えるのやめよう。
これから先とか白羽の記憶の事とかもちろん大事だけど、今はこの時間を僕は忘れたくないし楽しく過ごしたい。
そう思うから。
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