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第9話

「やった!勝ったぜ‼」 試合終了のホイッスル。 白羽のチームは大差をつけて勝利した。 相手も 実は昔にバレーしてましたっていう人が居るとは思わなかったのかな。 周りからおこる歓声は僕らのクラスではなく白羽一人に向けられていた。 「俺ら優勝いけんじゃね⁉」 「東堂が居れば百人力ってな!」 「しっかし、この年で転校してきて目立つのに頭もよくてスポーツできるとか、本当に憎いよな‼」 口々に出る称賛の声 今は僕の白羽ではない。 でもその言葉を聞いてるとなんだか僕自身にも誇らしく思える。 だ、ダメだ。 次試合なのに顔が…にやける。 「おい。何ニヤニヤしてんだよ。 次試合なんだから準備しろ」 「あ、ごめんなさい。すぐいく。」 「ったく。インハイ前なのに怪我しても知らねぇからな。」 そういってくる彼は部活の仲間。 心配してくれること僕は嬉しかった。 でも言葉の本当の意味を僕は理解してなかったんだ。 *** 「トスくれ!」 やっぱり楽しいな。 白羽に見てもらいたいという思いもあったけど白羽のチームは引き続き試合だったからそんな余裕もないだろう。 僕は相手があげたトスの方へブロックについた。 球技大会のルールでは経験者は打ってはいけないだけでそれ以外は基本ありだったからネット際でブロックしようと思ったが今思えばそれが間違いだったのかもしれない。 相手は部員の中でセッターしている人だったからなんの疑いも持たなかった。 しかし普通のトスより高く、限りなくネットに近いトス。 僕は押さえつけられるとなんの疑いもなく飛んだ。 「いくぜー‼」 え? そんな無茶だよ。 「おい!あぶねぇ‼」 『ゴリッ』 僕の足からひとの体から出る音とは思えない音がした。

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