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第22話
クチュクチュと卑猥な音が部屋で反響してる。
白羽は僕の股の間に座りゆっくりと、それは白羽のソレとは似つかない形相の僕を恐る恐る握っている状態だった。
「白羽、それじゃいつまでも出そうにないよ。…なんか、もどかしい…」
白羽はマジかと驚いたような顔をする。
そして困惑した顔で
「じゃ、じゃぁ、どうしたらせいも気持ちよくなるんだ。俺、今、誠の為になんでもしたい。」
その時僕は想像してしまった。
白羽と…
白羽とSEXできたら。
いやいや、流石に無理だよね。
「いいよ。放っておけば治るから。」
僕は想像にとどめておいた。
精通も知らない白羽を抱けるわけがないし、僕はこう言ってくれるだけでも幸せだと思ってるから。
「けど…」
「じゃぁさ、このままデートしようよ。どうせもう学校には遅れてるしこのままどこか行こう!白羽がいてくれたらどこまでも歩ける気がする。あ、いや、ダメだよね…安静だよね。き、今日じゃなくても…」
「なにまたゴチャゴチャ考えてるんだよ。俺はお前の為にしたいんだ。いいぜ、お前の為ならおんぶでも抱っこでもしてやるよ」
「それは無理だよ。白羽が潰れちゃうよ。でもありがとう。じゃ、一緒に行こうか。」
ああ。最悪だと思ってたこの怪我が白羽がいてくれるだけでこんなにも前向きになれる。
僕達はすぐに出かける準備を始めた。
家を出る頃には先程まで欲情にまみれた僕の心も自身も治っていた。
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