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家で乾かしているあの青いハンカチを思うと頬が緩む。 「にやにやしちゃってどうしたの?…ははーん、さてはAくんと何かあったんでしょう」 鏡越しの表情に気付いたのか、顔を覗き込んでくる彼に昨日の話をしてあげよう。 「…バレた?」 「アナタ、店ではミステリアスとか言われてるのよね?アタシからしたらこーんなに分かりやすいのに」 「それはリンさんの前だからだよ」 俺が心を許す数少ない人物のひとり。 目を細めて微笑むと、何故かため息を吐いて後ろに戻ってしまった。 「…ああダメだわ、直接見てられない。鏡越しくらいで丁度ね」 この天然たらし、と軽く髪を引っ張られる。 「………?えーと…それで、連絡先渡してきた」 髪を引かれた意味が分からない。 僅かな痛みに眉を寄せつつ、結果報告。 「あらほんと?やったじゃない!で、反応は?」 ぱっと離れた手に苦笑して、どこまで話すべきかと思案する。 「…可愛かった。あと、すごくいい子」 目を伏せて思い出すのは、あの笑顔。 当分…いや、きっと―――ずっと忘れられない。 「え、女の子なの?」 「―――に、見えるけど、たぶん違う」 「良かった、女の子にAくんなんて言ってたら申し訳ないし…。でも女の子にしか可愛いって言わないアナタが、ねぇ…」 ふうん、と意味ありげな視線を寄越す彼はさておき。 「可愛いって言われたくないタイプだと思う…俺の予想だと」

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