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「…取りあえず、着替えてくるから。これ飲んで待ってて」 ソファーに座る俺にそう言い残して、扉の向こうへ消えた彼。 駐車場で会った時よりも痩せたような気がする。 (やつれた、っていうのか…?) 出されたカフェオレを見つめながら考えていると。 「みゃーお」 可愛らしい声が聞こえた。 斜め下を見れば、蜂蜜色をした宝石のような瞳と目が合う。 撫でてみたいが、安易に手を伸ばして良いのか悩んで。 そろそろと伸ばしては引き、を繰り返していると扉が開いた。 「お待たせ。あ…猫、平気?」 頷く俺に良かったと呟いてから、向かいのソファーへ座るルイさん。 口元を覆うように手を広げ、肘を膝に乗せて少し前のめりになったまま目を伏せる。 彼が取る行動はそれだけで芸術のようだ。 一旦は落ち着いた鼓動が、また速さを取り戻す。 「で…話っていうのは、」 「…あ、の!」 言葉を遮る俺を見るためか、ゆるゆると上がった瞼。正面から見るにはまだハードルが高く、テーブルに置かれたカフェオレを見つめながら口火を切った。 「先に、謝らせてください。この前の、駐車場で…」 声が震える。 やっぱり何でもないと口走ってしまいそうだ。 でも…今、言わないと。 「本当に、すみません、でした…」 語尾は小さくなってしまったが、つっかえながらも何とか言葉にできた。 そろりと顔を上げると、虚をつかれたように目を丸めるルイさん。

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