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「っ…なん、…え…どうした、の…?」 突如また泣き出してしまった俺を見てわたわたと慌てるルイさん。早く涙を止めなければ、と思うほどみっともなく零れてしまう。 「す、みませ…おれ………っ」 両手でそっと頭を引き寄せられ、気付けば腕の中に居た。鼻腔をくすぐるのは、あの日とは違う優しいもので。 「深呼吸、できる?」 とんとん、とリズミカルに背中を撫でられながらぎこちなく息を吸う。甘やかな香りが全身に染みて心地良い。 「…ごめんね、嫌なこと言ったかな」 覗き込んでくる気遣わしげな瞳に首を振ってから、ぽつりぽつりと話し出す。 「俺…昔から、見た目について言われることが多くて…自分では普通だと思ってるんですけど、」 小さい時は気にならなかった。でも、いつからか、容姿の話題に芽生えたのは苦手意識。それが例え肯定的な意見だったとしても…俺は、俺自身を見てほしかったのに。 「別に、褒めてもらわなくても良いんです…着飾って誤魔化せる外見よりも、中身が素敵だねって、認めてもらいたいと思うようになって…」 膝の上で拳を握りしめる。向き合わないといけない問題から、ずっと逃げ続けてきた。 「…初めてだったから。俺の外側じゃなくて、内側を見てくれる人に会ったのは」 語り終わって、やっと肩の力が抜けた気がする。

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