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ルイさんの口ぶりからして、まさか俺がそこまでするとは思っていなかったのだろう。色々、と付けて逃げてしまったことは申し訳ないと思っている。
でも、あの時。アドレスを変えようと考えた本当の理由は教えられない。
これ以上みっともない所を見せてしまったら、きっと友達ですら居られなってしまう。
「…なるほど、ね」
辛そうに笑う彼を見たくなくて、慌てて言い募った。
「本当に、すみません…でも、あの…まだ俺とメール、してくれるなら」
新しいアドレスを…と言ってスマホを取り出す。
「友達になれたんだから、アドレスくらいは知っておきたいな」
目を細める彼に頭を下げて、プロフィール画面を表示させた端末を差し出す。
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