46 / 330
46.
「家で待ってられなくて、来ちゃった………って」
どこの女子ですか、と独りごちる。
「ん?何か言った?」
「…いえ、なにも」
結局あれから一緒に買い出しへ。周りの視線をほとんど集めていることに、きっとこの人は気付いていない。
「そういえば、何であの時間に授業が終わるの知ってたんですか?」
カゴに野菜を放り込みながら尋ねる。
「ほら、これ」
出されたスマホの画面に表示されているのは、どこかで見た時間割。
………ん?
「え、あの、まさか…」
「参考にしてくださいって、細田くんが。あぁ…言っとくけど俺が頼んだわけじゃないよ?」
目を細めて楽しそうに笑うルイさん。
取りあえず細田、アイツ今度ひっぱたいてやる。
ともだちにシェアしよう!