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56.
「…次は一緒に食べよう」
ややあって、ぽつりと漏らされたひとこと。
たった今、目の前でデザートを食べ終えたばかりなのに。何故そんなことを…
「え、あの…今、デザート…一緒に食べましたよね?」
頬杖を付いて俺を見るルイさんの目が、すうっと細められた。
「ううん。『料理も』だよ」
心のうちを見透かされた気がして、絶句。
ああ、なんでこの人は―――
「俺に黙ってた罰として、ね」
そのまま楽しそうに笑う彼には、きっと気付かれているのだろう。
傍に居るのが恥ずかしくて、コース料理にしたこと。料理が得意だと敢えて言わずに、驚かせたかったこと。
これは完全に胃袋掴まれたかなぁ、なんて呟くルイさんには敵いそうもない。
「また明日から仕事頑張れそうだよ」
頭を撫でる大きな手の感触に目を細めて、応援してますと告げた。
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