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「ふうん…じゃあ今日は張り切ってセットしないとね!」 「いや、いつも通りで大丈夫だよ…」 腕捲りをしながら目を輝かせるリンさんに若干引きつつ、釘を指す。 今まで受け身だった楓くんが、初めて自分の意思で伝えてくれた、と。考えるだけで頬が緩む。 「でも良かったじゃない…アナタの仕事に嫌悪感を示すような子じゃなくて」 少し影を滲ませながら笑う彼は、きっと色々なことを経験して来たのだろう。 「…今のところは、ね」 それも今日の様子次第だ。仕事場を見せるのは賭けではあったものの、他ならぬ楓くんの願いとあっては聞き入れるしかない。 頑張りなさいよ、と背中を叩かれて静かに頷いた。

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