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翔というその男性は、とても話しやすくて。開店した途端、賑やかになった店内の様子を説明してくれる。
「あの、翔さん…俺に付きっきりで良いんですか?」
申し訳なく思って恐る恐る聞くも、からりと笑って一蹴された。
「いーの、今日は芹生くんの話し相手が俺の仕事だから。気にしないで」
この人も例に漏れずイケメンの部類。だけど、笑うと目がなくなって可愛い。店内にざっと目を走らせただけでも、この店の顔面偏差値が高いことが分かる。
「…あ、ほら。あの客がルイさんのエース…ええと、お得意様ってところかな」
ひそりと耳元で囁かれて、そちらに目を向けた。なるほど、派手な女性が1人。手を引くルイさんにしなだれかかるようにして、席へ座る。
「あの人、どこかで………」
必死で記憶を掘り起こして。思い当たる節があった。
(コンビニで、ルイさんが支払った時の…)
雰囲気はもう少し大人しかったような気もするが、間違いない。
彼が財布を出したのは、後にも先にもあの1回限りで。
「…すみません、お手洗いを借りても?」
「そこの突き当たりを…って、俺が連れてった方が早いか」
先に立つ彼の背中を追いかける。
何となく…ルイさんと、彼女が並んでいるのを見たくなかった。
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