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曲がり角の先で、不意に立ち止まった翔さん。ぶつかりそうになって、慌てて足を止めた。 「…芹生くん」 「え、はい…」 くるりと振り返った彼に、ガシッと両手を握られる。びっくりして反射的に身を引くも、更に顔を近づけてひとこと。 「連絡先、教えて!」 ぽかんと口を開けてしまった。なぜ、急に…? 「あの、別に構わないですけど…何で…」 「話しててすげえ楽しいし、もし嫌じゃなかったらこれからも仲良くしてほしいなって」 その目つきは真剣そのもので。 気圧されながらも、こくりと頷く。 「…俺ので、良ければ」 「マジで!?よっしゃあ!」 掴まれたままの手を上下に振られて、思わず笑ってしまった。 じゃあ俺は先に戻ってるから、と言い置いて元きた道を戻る翔さん。少し浮き足立っているように見えて、俺の連絡先くらいでそこまで喜んでもらえるのか、と何だか嬉しく思った。

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