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今、そんなことをする人間は翔しか居なくて。苛立たしさを隠すつもりもなく、睨みつければ。
「行き過ぎた客―――そう、例えばミカちゃん。ああいうのを牽制するために…パートナーを1人、『適当に』作ったと思ったんじゃないすか?そんで、たまたま選ばれたのが自分だっただけ、って」
理解するにつれて、脳天を叩かれたような衝撃を受けた。
まさか、そんな―――
「営業のために、利用された…とか」
するりと入ってくる声色は、どこまでも落ち着いていて。俺の気持ちと対照的なそれに、感じるのは器の違い。
「俺が行きますから。店、戻ってください」
強い眼差しで抑えつけられ、何も言い返せなかった。出ていく背中を見つめて、拳を握ることしかできない自分が悔しい。
扉が閉まると同時に、膝をついた。
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