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喉の奥が痛いのは、きっと走ったせいだけじゃない。赤信号を待ちながら、膝に手をついて呼吸を整える間に。 ふと、考えてしまった。 ハルさんは、そんなことないと言ってくれたけれど。もし本当に利用されていただけだとしたら―――… 頷く姿を想像しただけで、足が重くなる。 答えを聞くのが…怖い。 だけど。後悔はしたくないから。 逃げてしまえと囁く声を振り払って、足を進めた。 店の前で呼び込みをする声は知っているそれで。思わず歩みを止める。 「あれ…?芹生くん、どした?」 翔さん。まさか会うとは思っていなかったから、慌てて頭を下げた。 「あの、ちょっと…話があって。……ルイさん、に…」 何かを察してくれたのか、ぽんと肩に手を置かれて。 「…そっか、じゃあお兄さんが呼んであげよう」 あの、柔らかい笑顔。

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