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今までのことをかいつまんで話すと、心底安心したような表情を見せるリンさん。荒れている俺を相手にしていた彼にも迷惑を掛けてしまった。 「取りあえず一件落着ってことでいいのかしら?」 「…と、思う」 「に、しても…翔くん?気になるわねぇ…」 顎に手を当てて思案する横顔は真剣そのもので。それについては俺も同意見だが、実害がない以上どうしようも出来ない。 「まあ、何かあれば対処する」 「そうね。そのあたりは上の人に任せましょうか」 スプレーを上下に振りながら、再び顔を覗き込んでくるリンさん。 「…で、エースの子はどうしたの?」 彼女はあれから店に来ていない。こうなることは充分に想像出来たけれど、あの時はそれよりも事実を確かめるのに必死だった。 黙った俺の態度で察したのか、ため息をひとつ。 売上としては確かに痛い。 「次のエース争いでみんな張り切るだろうし、俺も頑張らないと」 ぽんぽん、と肩に手を置かれて。 今日も戦場へ赴く準備が出来たようだ。

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